歌う珈琲屋さん

クラシック歌曲・オーガニック珈琲

元気?

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一応相手のこと たずねるけれど

 

こういう電話って

 

けっこう自分が落ち込んでて

 

なんか聞いてほしい時にすんだよね

 

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旧友から、久々に電話がありました。

一通りの挨拶が済んだ後 近況を尋ねると、

年末にお父さんが亡くなったとのこと。

ずっと父親と二人で暮らしてきたので、

さぞかし寂しいでしょう。

実は私も姉を亡くしていたので、

お互い虫の知らせを感じたのかもしれません。

 

彼女は中学からの同級生で、空手の先輩でもあります。

共に通っていた道場で昇段試験があった時、

一生懸命に教えてくれ、

そのお陰で、無事に初段をとることができました。

ところが、

私の方は夜の稽古に参加することが難しくなり、

昼間やってる別の流派に通うことになりました。

 

今の流派は、古来からのもので、門外不出、

対外試合も無いようなところだったので、

他へ行ってしまう私を

先生は余り快く思わなかったのでしょう。

本来なら師匠から弟子へ与えられるはずの黒帯を

「自分で買いなさい」と言われました。

 

でも、なんだか申し訳ない気もして、

私は買いませんでした。

どっちみち他の流派では 

また 白帯から始まるからです。

 

道場を離れ しばらくたった頃 

彼女から連絡がありました。

会ってみると、その手には 

しっかり私の名前を刺繍した黒帯がありました。

彼女が自腹を切って 注文してくれたのです。

 

今では空手と合気道とで、

武道の道は離れてしまいましたが、

彼女から貰った黒帯は 友情の証として、

いつまでも壁に掛かっています。