母の日
「よけいなこと、すんなよ!」
ケイコさんは、
息子のミツル君にまた怒られてしまいました。
ミツル君は、上京して美容師見習いをしています。
初めての一人暮らしを心配して、
お金や物を送ろうとするのですが、
ミツル君は受け取ろうとしません。
そんなミツル君をケイコさんは、
「大人になっていくんだなー」と、頼もしいような、
寂しいような心持で見守っているのですが、
ついつい、新米を食べさせたいと思い、
送ってしまったのでした。
そのまま送り返してきそうな剣幕に、
「あんたねー、それくらいは食べな!
送料高いんだから!」と言って、
やっと思いとどまらせました。
そんなミツル君ですが、
母の日には、遠くから電車を乗り継ぎ帰ってきて、
プレゼントを置いていくのです。
家賃と食費を除いたら
ほとんど残らないはずなのに・・・。