2020-05-22 目隠し弁 中学生の頃 アルマイトの弁当箱を包んできた 新聞紙を そのまま目隠しにして食べる生徒がいた。 パッキンがないのも多くて 野菜炒めの汁が染み ネズミに食われ 穴が開いた鞄を持って来る子もいた。 私の弁当は 高校生の姉が作ってくれていた。 当時「鯛のかまぼこ」という名の缶詰があって 「タイ」とつくからには 「高級な魚」と思ったのか 姉は ほぼ毎日入れるようになった。 最初は喜んでいた私も 弁当箱の蓋を取り 甘ったるい醤油味の 丸くて茶色い物体がごろごろしているのを見ると 新聞紙を立ててみたくなるのだった。