嗜好品
「やらなくちゃと思いはするんだけど、
なかなか動き出す気になれないのよね~。
体もなんだか重たいし、私、うつ気味なのかな?」
たらたら片付けながら、カエデは言った。
手伝いに来てくれた姉のモミジが、きっぱり処方した。
「あんたね~。
だいたいコーヒーの飲み過ぎなのよ!
いつもカフェインで神経ピリピリさせているから、
その反動で落ち込んじゃうの。
体は恒常性を保とうとしてるだけ」
「へ~、なんだか難しいけど、そーなんだ」
と言いつつ、お菓子に手をのばすカエデ。
「甘いものも多すぎ!」袋を取り上げるモミジ。
「だって、疲れてるんだもの」
取り返そうとするカエデ。
「甘いものは、一時的に筋肉を弛緩させるだけで、
その後はもっと疲れるの。頭だって鈍くなる。
疲れた時、甘いものが欲しくなるのは、
本当は果物のビタミンを摂りたいという
体の要求なのよ」
やれやれ・・・・・・
いつまでも、姉に頭の上がらない妹であった。
姉ちゃんは、偉い!