歌う珈琲屋さん

クラシック歌曲・オーガニック珈琲

子の意志の尊重?

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「ねえ、やる? やらないの?」

乳幼児健診の会場。 

三歳の子にいつまでたっても

お伺いを立てている親がいる。

三十分から時には健診が終わる頃まで

子どもを追っかけ回して「相談」している。

親の方ではどうも 

子どもの意志を尊重しているつもりらしい。

しかし、幼児が自ら 体のためになるからと、

多少恐くても我慢してやろうと

決意するだろうか。

 

とある歯科医院で、印象的な出来事があった。

アメリカ人の親子がいた。 

母親は、やはり三歳くらいの子どもを 

治療室の椅子に座らせると、

さっさと待合室に引き下がる。 

ところが、治療途中で子どもがぐずりだした。

 

母親は「Excuse me」と言いながら治療室に入ると、

子どもを待合室に連れ出し、お尻をペンペン叩いて、

また戻した。 子どもはしゃくりあげながらも、

最後まで辛抱していた。

治療を終えて、スタッフに褒められた時の 

子どもの誇らしげな顔。 

そして、出てきた子を 待合室の母親は 

しっかりと 抱きしめていた。

 

幼児期の責任は親にある。 

毅然としている親の気迫は子に伝わる。 

ダメなものはダメ。

必要と判断したことはさせる。 

そんな親の思いを感じ取って、

子どもは無駄な抵抗を止め、

さっさと済ましてしまうようになる。 

その代わり、

日頃から「ダメ」を連発しないことと、

一度「ダメ」と言ったら、

もう一歩も後には引かない覚悟がいる。


もちろん 「しつけ」と称する

「暴力」には十分な注意が必要だが、

 

子どもに伺いを立てたり、

「お父さんに言いつけるよ」と責任を転嫁したり、

「帰りに飴を買ってあげるよ」とすかしたり、

ましてや「お医者さんに注射してもらうよ」

なんて脅してみたり・・・・・・。

 

このような態度こそ、将来にわたって、

子どもの意志や人生を「尊重」しないばかりか、

親子の信頼関係を

損なうものとなるのではないだろうか。