カズコさんの甥っ子に、子どもが生まれました。
その子の足は、ちょっと変わっていました。
片足の指が三本しかないのです。
いつも手動の「愛車」を駆使して
お誕生日プレゼントを持ってったり、
あちこち精力的に出かける小児麻痺のミエちゃんは
すこし気の重いお見舞いに行こうとする
カズコさんに言いました。
「お母さん。 私は行かないよ。
私が行ったら、お嫁さんの親戚の人たちが
マサル兄ちゃんの家系のせいで、
変なのが生まれたんだって
言うかもしれないでしょう?
馴れるまで、刺激しない方がいいからね」
そんな優しいミエちゃんに、三十路を越えて、
結婚相手が現れました。
そのご主人から、先日、朗報がありました。
「産まれました! 元気な女の子です!」