仮の宿
マナミは タカオと このまま賃貸を続けるか
持ち家を建てるかで もめていました。
タカオ
「 いいじゃん。 アパートだってさ~。
今の広さで十分じゃん 」
マナミ
「 子どもが産まれたら どうするのよ。
年取ったら どうするのよ 」
タカオ
「 そんときは そんとき。
あんま 先のことばっか 考えんなよ 」
マナミ
「 あなたはねー だいたい いつも
いい加減なのよ。 計画性ゼロ ! 」
「 まあまあ 」
ちょうど 檀家から帰ってきた 僧侶のお父さんが
二人の声音を聞きつけて言いました。
「 どっちみち 仮の宿。
そう 目くじら立てることも あるまいて 」