勝ちたい欲と人生オセロ
自慢じゃないが オセロは かなり強い。
かつて 新宿のゲームセンターにあった
オセロゲーム機で 全勝したくらいだ。
( しっかり 自慢やん。
自慢じゃないが という言葉は
自慢したい時に 使うものなんやな~ )
そのせいか 私が
「オセロやろ! ね、オセロ」と言っても
この頃 だ~れも相手にしない。
それじゃつまらんから 手を変えて
「負けるために」やってみることにした。
したら 相手も気持ちよかろう。
さっそく カズミ相手に 一局。
カズミは 私の心づもりなんか知るよしもなく
順調に 自ら選んだ黒コマにひっくり返していく。
ところが 後半になって
黒コマが 行き詰まりだした。 予期せぬ展開。
私が 二コマ置いて やっと進む。
結局 僅差で カズミが勝って ご満悦。
相手の喜ぶ顔を見て 私もハッピー♪ ええな~。
次は アツシ。 かなりの負けず嫌い。
「ね、 負けるが勝ち勝負しよう。
その方が楽しいで」と言って始めた。
私は、 相手のコマをできるだけ
「少なく」ひっくり返すのに専念した。
ところが アツシが 黒コマ
( しかし、 カズミもアツシも
黒コマがいいなんて 変わってるな~ )
にパチパチ変えていくのを見て、つい
こっちも いつもの勝ちクセが出てしまった。
角々を取り、 結局 白コマが
四個 多くなってしまった。
アツシは「ほ~れ 負けた俺の勝ち」
と言ったが、 負け惜しみの雰囲気丸出し。
勝って負けた私は
( やっぱり ど~したって
あたしゃ強いのよね~ )と 内心笑み。
たまたま 側を通りかかったカズミが
勘違いして「また 負けたの~」
と言うので「 今、負ける研究してんだ」
と答えると、 怪訝な顔
( あ、 やば! 昨日の勝負バレた? )
勝ちたい も、 負けてあげる も、 同じ欲。
自分の優越性を示したいだけ と 気づいた。
勝って嬉しい。 負けて悔しい。
そやかて それが 何やねん。
単なる ゲームやないか。
ただ 楽しく 遊んだったらええねん。
負ける経験 勝つ経験 積んだったらええねん。
人生も同じようなもんやないかな~。
出来事は表裏一体。
自分の思い一つで 黒にも白にもなる。
今日が良ければ 過去も白に変わる。
今日を愚痴れば 過去のすべてが黒に思える。
そやけど、
どこで どんでん返しになるか わからん。
勝とうと思って負ける時もあるし
負けようとしても勝ってしまうこともある。
今の心境としては「しよう」という自分の思いを
もっと大きなものに委ねて
流れに添う といったとこかな。
あの世に 還って
「あ~楽しい人生やった」と言えたらええな~。