慣れと奢(おご)り
友人と とあるバンドの地元コンサートに出かけた。
太鼓がズンズン腹に響く、
力強さと独特のリズムが自慢のバンドだった。
初めの頃は、言われるがままに
手拍子やらなんやら 相づちを打っていた。
でも、同じような曲が続いて、うるさく感じてきた。
バンドの連中もくたびれてきたのだろう。
トークが始まった。
それが、その場つなぎのぞんざいなもので、
内容も全然頭に残らない。
しかも 「なんにも打ち合わせしてないんですよ」
と、当然のごとく言ってのける。
まるで、
それがスターの証でもあるかのように・・・・・・。
「こんな、つまらんアドリブ よく入れるね」と私。
「地元の人は大人しいからよう言わんのやろ。
大阪やったら、みんなザーッと 帰るんやけどな。
金払うてるんやからな。 怒るで。
それが、芸人育てるんや」と友人。
かつては 中央で華々しいデビューを飾ったバンド。
地元で善意の応援にあぐらをかいて、
スポットライトの中で、客席が見えなくなっている。