歌う珈琲屋さん

クラシック歌曲・オーガニック珈琲

夜間高校

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普段は 誰々のお婆ちゃん としか呼ばれない人が

「中村さん」と ちゃんと名前で呼んでもらえる。

 

ミヨコのお母さんも「斎藤さん」 

電気屋の兄ちゃんは「工藤くん」

 

遊びまわって疲れると そこいらにしゃがみ込む

ジベタリアンの タッチ―は「高宮くん」

 

歳の差があっても 仕事をしてても してなくても 

そこに行けば みんな生徒。

 

キチンと名前貰って「はい!」って

必ずしも キチンと 応えるわけではないけれど

 

また 再び 先生に教えてもらう嬉しさ 

ほんのり赤いほっぺに出てる。

 

 

 

娘が夜間高校の教師をしていた時の話です。

初対面の時は、気恥ずかしさからなのか、

若い世代はスマホいじったりしながら

うつむいている子が多くて

 

「こいつら、やる気あんのか!?」と 

体育系出身の娘は思ったそうです。

 

ところが、「戦争で勉強どころじゃなかった」

世代の熱心さに感化され、

徐々に学習意欲がわいてきたとのこと。

 

学力ばかりか 体力もなくて 体育の授業は 

すぐに しゃがみこんだりしていましたが、

遊びや ゲーム感覚でできるように 

あれこれと工夫を凝らした授業を展開していくと

だんだん興味を持って参加するようになりました。

 

そして、一年が経った頃、ある生徒が言ったそうです。

わたしも頑張れば 先生のようになれるのかな~

 

 

 

わたしの出身高校にも 夜間がありました。

全日クラスのわたしが 登校すると、

古びた木の机の中に 小さな紙切れがありました。

この机は 夜間のぼくの机です」と 

書いてありました。