歌う珈琲屋さん

クラシック歌曲・オーガニック珈琲

ほめおしみ

わたしの地域のスーパーでは

一部のカウンターで

購入した食品の袋詰めをしてくれます。

 

自分でやったら とても 1枚の袋に

入りそうにない数でも

ものの見事に しかも 崩れないように

行儀よく入れてくれます。

 

その手際の良さに わたしは

毎回 感心するのです。 それで

「すごいですねー!」とか

「うわ~、きれい!」とか

「こんなに入っちゃうんだ!」とかの

感嘆符を発します。

 

初めは 機械的

「いらっしゃいませ~」と言っていた

レジの人も 

人間に戻ったような 照れ笑いをします。

 

その笑顔を見て 

わたしも更に嬉しくなります。

わたしは ほめおしみ をしません。 

おおげさに嘆く

読み聞かせボランティアに参加しようと

図書館を訪れた時のことです。

 

駐車場の入口にチェーンがしてあって

その前に車が一台停まっていました。

 

「え? なになに? 何なの?」と 

チェーンにぶら下がっている札を見ると

なんと臨時休館とのこと。

 

せっかく いいことしようと

意気込んできたのに! と

めっちゃがっかりしました。

 

あ~あ! なんっでよ~!!」と

頭を抱えて大げさに嘆きました。

 

すると 

こちらも多分当てが外れたであろう

隣の車のおじさんが 

クスッ! と笑ったんです。

 

それを聞いて 

すっかり機嫌の良くなったわたしは

元気に帰路に着きました。 とさ。

自分を大切に

自分を大切にするって

わたしがわたしの子どもだったら

わたしがわたしの親友だったら

と 考えると

うまくいくような気がします。

 

ただ甘やかすだけでなく

将来を見据えた助言や

たとえ世界中の人が敵対しても

わたしは味方だよって

言ってあげられます。

鳥のさえずり

わたしの朝一番の贅沢は

小鳥のさえずりで目を覚ますことです。

澄んだ 軽やかで 美しい

高い音が大好きです。

ソプラノなので 真似てみたりもします。

 

ところが 日が昇るにつれ 

鳩の低く くぐもった声が混じってきます。

わたしは それが 好きではありません。

聞きたくないなぁ と思うと

なおさら 聞こえてくるものです。

 

すると なんと

「フウフ ハ ナカヨシ」

「フウフ ハ ナカヨシ」

「夫婦 は 仲良し」

と 聞こえてきました。

 

ありゃりゃ!

確かに 鳩さん夫婦は仲良しですものね。

鳩の声も まあいっかぁ となりました。

おせっかい

わたしは 結構おせっかいで

「こりゃあ いい!」

と思うと すぐさま 人に

伝えたくなってしまうのです。

 

でも ある時

ストレートな物言いをする友人に

「あんたが 今まで薦めたので

良かったのは パン教室だけじゃん」

と言われて 考えました。

 

わたしは 人の役に立つことで

自分の価値を

示そうとしていたのかもしれない と。

 

自分がまず満たされ

輝くことによって

他人が憧れ 聴いてくるまで

待っててもいいんだ。

 

急いで 十分な結果や

効果が得られてないものまで

人に薦めることは もうやめよう。

かえって 軽んじられるだけだ と。

 

まず自分! 自分が心地よく

機嫌よく 過ごすことが先 なんだね。

おかげで

花粉症のおかげで

雨の日が好きになりました。

かと言って

晴の日が嫌いになるわけではなく

もともと好きなものは好きなのです。

 

声を張り上げる場所がないおかげで

早朝の海岸に行きました。

折よく風は海に向かって流れ

気持ち良く歌うことができました。

そして なんと

日の出とともに

虹が立ち上がってくる瞬間も

観ることができました。

 

歳を経たおかげで

誰彼構わず

気軽に声を掛けることが

できるようになりました。

そうやって

方向音痴な私は

たくさんの親切な人々に出会い

助けていただきました。

 

誰かや 何かの「せいで」

と考えると 嫌なことでも

「おかげで」に変えると

いいこともあるのかな

と思います。