訪れたことがある。
三階に「北の丸博士のバイオのくすり研究室」
というのがあって、空港のバーコードリーダーのような
ものに手をかざすと、目の前のスクリーンに、
まずそのままの手が映り、それから皮膚が剥がされて
筋肉組織が映り、筋肉も剥がされて骨が映り、
細胞になり、ついには分子や原子、
素粒子になって浮遊していった。
もちろん、演出された映像ではあるけれど
「ほんとのことだ」と深く胸に刻まれた。
自分が見える身体だけの存在ではないのだと、
あらためて実感した。
ならば、この私を私足らしめているのは何なのか。
このふらふらしている分子や原子を束ねているのは
何なのか。意識と実存。形而上と形而下。
残念なことに、この展示は2006年~2016年までで、
現在はないとの事。