カコさんの小料理屋に
また 暴力団がやってきました。
所場代をよこせだの何だのと言って
嫌がらせに来るのです。
カコさんはすぐに 目につく包丁を窓から捨てました。
そして すきを見て 自分も飛び降りて逃げました。
結局 そこには 二度と戻れませんでした。
それでも めげずに カコさんは
また別の店で 働き始めました。
カコさんには 六人もの弟や妹がいます。
「あんたたちのためなら なんだってする」
カコさんは きっぱりと 言いました。
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カコさんは 高校生の頃
県で五本の指に入るほど優秀な成績でした。
でも、弟妹の面倒を見るため
自分自身は進学しませんでした。
その代わり?
カコさんの娘さんは お医者さんになりました。