歌う珈琲屋さん

クラシック歌曲・オーガニック珈琲

110点

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高校生のノリコは、物理が苦手でした。

いつも、赤点(30点)ぎりぎりです。

来月は、学期末テストがあるというのに、

なかなか勉強もはかどっていませんでした。

 

そんな折、ノリコの親友のカズミがインフルエンザで

一週間ほど休むことになりました。

 

授業は試験をターゲットにして組まれていますから、

この時期休んでしまうのは、とても痛いことです。

ただでさえカズミも物理が苦手だというに・・・・。

 

ノリコは一大決心をして、カズミのために

物理ノートをとってやることにしました。

ノートを持ってって説明もしなきゃなりませんから、

授業を一所懸命聞きました。

分からない所は、何度も質問しました。

 

そうこうしてるうちに、テストの日がやってきて、

二人とも受けました。

翌日、返ってきた答案用紙を カズミが嬉しそうに 

ノリコに見せました。

「なんと、83点! 今までで最高の点数だよ。 

 あんたのおかげ、ありがとう」

 

一方、ノリコは不思議な顔で

自分の答案用紙を見ていました。

その時、先生が言いました。

「今回のテストは、先生のミスで、

 問題数が多くなってしまった。したがって、満点は、

 110点。 タツヒコにノリコ、よくやった!」

 

 

 

人のために動く時って、すごい力が出るもんですね。