歌う珈琲屋さん

クラシック歌曲・オーガニック珈琲

トランプ

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私は花粉症の体質改善をしたくて、

断食を得意とする内科医院に

10日間入院したことがあります。

 

私のように、短期はまれで、他の人は数か月や半年、

しかも、何度も入院している方も

珍しくありませんでした。

肥満の人、あるいはアトピー

皮膚がただれた人などもいました。

 

長期に渡るので、初めての私と違って 

皆さん慣れた様子でした。

でも、病院であることに変わりなく、

暗い雰囲気が漂っていました。

 

私は、いつも通りに 縁あって出会った仲間に 

明るく声掛けしていました。

そして、退屈そうな子を見つけては、

トランプに誘いました。

 

以前、中学生だった息子の友だちが

家に遊びに来た時に 皆でトランプをしました。

おとなしい子でしたが、だんだん興奮してきて

声を上げたり、笑い顔さえ見せてくれました。

後で息子の言うことには

 

「あいつ、初めてトランプしたんだって。

 めっちゃ、楽しかったって。

 家では、いつも一人で

 気味の悪いゲームばっかりしてたから。

 だから、家族にも、一緒にトランプやろう!

 って言ったらしいよ」

 

そんな経験で、私はコミュニケーションツールとして、

百人一首をしたり、トランプをしたりします。

一人遊びも好きです。

丁度いい気分転換になるからです。

入院グッズの中にトランプは必需品です。

 

とても、気難しい20代の娘さんがいましたが、

私たちが楽しく過ごしているのを見て、

参加するようになりました。

 

一人遊びのトランプを教えると、

すぐに覚えてやるようになりました。

 

ある時、めったに上がらないはずのカードが

全部開いたのです!

 

「すっごーい! これって 超ラッキーだよ!!

 運がいいねぇ!」

 

私は飛び上がって手をたたきました。

 

トランプが上がったのにもびっくりしましたが、

その後の彼女の言葉には もっとびっくりしました。

 

大喜びする私を横目に 

彼女は 苦々しい顔でこう言ったのです。

 

こんなことで、運を使いたくない!