歌う珈琲屋さん

クラシック歌曲・オーガニック珈琲

親切

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停留所をを過ぎたところで バスが停まったので、

どうしたんだろうと窓の外を見ると、

おばあさんが 手を挙げて、

合図しながらやってくる。

 

時間に追われた都会の人間には、

おそらく 永遠に着かないのではないか 

と思われるような足取りで・・・。

 

プシュー。

 

ドアが開いて、

ようやっと入り口に立ったおばあさんに、

前列の客がそわそわと腰を浮かす。 

席を譲る栄誉に預かった若者は、

さっと後ろの席に移る。

 

運転手は、おばあさんが よっこらしょっ 

と座るのを確認して、おもむろに発車する。

 

ずらっと詰まった後列の車は、行儀良く並んで

 プッ とも言いやしない。

 

 

親切は、伝染するんです。