風鈴
残暑厳しき折 たまは 南部鉄の風鈴を頂いた。
軒先にぶら下げて 鈴虫のように軽やかな
時には 遠い寺の鐘が響いてくるような
深い音色を楽しんでいた。
チリリン コ~ン チリリン コ~ンンン
蚊取り線香が揺蕩(たゆたい)
微かな秋の気配に酔いしれて
たまは いつしか深い内観に入っていっ・・・
「もしもし」・・・内観に入って・・・
「あの~」・・・内観に・・・
「ちわ~!」って、なんっだよ! もう!
いつのまにやら軒先に
宅急便の兄ちゃんが立っていた。
恐る恐る 荷物を差し出しながら聞くことにゃ
「あの~、どなたか、お亡くなりになったのですか?」
おちゃらか おちゃらか おちゃらかほい
葬式じゃねぇっての! おちゃらかほい