歌う珈琲屋さん

クラシック歌曲・オーガニック珈琲

おフジさんからのメール

f:id:tamacafe:20200604174759j:plain

以前「産まれてきた以上」に登場した

おフジさんからメールがありました。

本人の承諾を得て、載せたいと思います。

 

*******************************************************************

 

私が望んでいるのはいったい何なのだろうか、

私はどこへ行こうとしているのか。

 

私は前から親子関係について、

あなたにも何度か話をしたことがあると思うけど、

私自身は家をちゃんとつくろうとしなかった

父のせいで、生まれたときから

親子関係につまずいたと思っているわけ。

 

子というのは、親に愛され、保護され、

育てられて初めて自分という人間を

確立するのだと思うの。

 

それがその愛情につまずくということは、

いろんなものがちゃんと備わらずに

生まれてきてしまった胎児のようなもので、

自分で皮膚や内臓を

強くしていかなければならない。

 

生きていく過程で、自分も家庭を持ち、

親になってしまったら、その少ないたくわえで

自分以外の人間のこともやらなければならないから、

自分自身はもう火の車よ。

 

必死でエネルギーを使うけれども、

たくわえがないのはほんとにつらい。

途中でパニックに陥るし、自信も無くすし、

自暴自棄にもなるし、しんどい。

そんな中でもなんとか、

体力をつくる作業は続いていく。

 

私は自分の中に核がもてなかった。

だからいつも欲しかったのは、揺るがない能力。

一つのことで、それで飯がくえるほどの能力。

それで私の不安を解消できるほどの能力。

 

自分の姉の面倒

見なければならないと思っているから。 

それを養う能力。

それが仕事になる能力。

そんなことを考えて、興味のあることはとりあえず、

取り組んでみた。

 

でもある程度まで行くと、いつも

「ほんとにこれがやりたいのか? 

 これをやって何になるんだ?」

という疑問がわいてくる。

 

それで途中で投げ出す。

途中でやめるのは、最初から何もしなかったのと同じ。

また失意のどん底に投げ出される。 

あせる。 またナニか見つける。

その繰り返しの数十年で、

今だにこれといったものが見つからない。

 

私は何を心底やりたいのか、考えた。 

そして気付いた。 

生まれてからずっと揺らいでいる足元を、

しっかり大地に根付かせたいのだと。

 

そのために一生できる仕事を見つけたい。 

二度と生活の不安に陥らないように。

それが一番の望みだ。

その仕事とは、私がやりたいと思っている

一番の仕事でなくても良いのではないかと。

 

それで一番やりたい仕事、生きがいになるような仕事、

わたしにはそれがなんだかわからない。

やっても「それがなんだ?」という

疑問がわいてくるので、

だから、これからこの年でできる 

お金を一生稼ぐことが出来る仕事、それを見つける。

 

さいわいパソコン大好き人間だから、

その辺からそこそこ稼げる仕事をもつことは

可能かもしれない。

だから、WEB制作関係でそれに関連した

ソフトの熟練に取り組もうと思い始めた。

 

今度はこれがやりたいのかどうかより、

これで仕事になるかという目標に変わるわけだ。

それで良い。 わたしは生活を安定させたい。 

心配事をなくしたい。

姉妹の面倒もみたい。

 

自分の死んだあとのことをちゃんとしてから、

死にたい。

そうだ、それこそがわたしの望みだと思う。 

母のお墓すらいまだに用意できないんだから。

 

胎児のまま、現世に放り出された人間には、

自分で自分の形を作っていくしか

方法がないのだと思う。

 

つまり私たちは子供時代が終わっていないのだ。

だから大人になる旅を

たぶん一生求めていくのだと思う。