歌う珈琲屋さん

クラシック歌曲・オーガニック珈琲

晩婚

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「結婚するの」

その言葉に 私は息が詰まるほど驚き 

そして 感動しました。

これこそ まさしく 神の恩寵 奇跡だと思いました。

 

彼女とは 高校の同級生であり 

私がしばらくお世話になった教会の

女性リーダーでもありました。

20年に渡る奉仕の後、教会自体が無くなり、

彼女は共同生活の場から実家に戻りました。

ご両親は「娘を教会にとられた」せいで、

結婚しないものと諦めていました。

 

教会の女性というと 

おとなしいイメージを持たれるかもしれませんね。

けれど 教会に行く前の彼女は 

口数こそ多くはありませんでしたが 

大酒のみで ワイルドな性格でした。

 

専門学校時代に付き合っていた彼氏と

別れた原因というのが それを如実に物語っています。

 

いつものように深酒したあと 自分のアパートに戻り 

お腹がすいたので 

たった一個あった大ぶりの両手鍋にラーメンを作り 

どんぶりに移すのも 面倒くさいので 

そのまま箸を突っ込んで食べていました。

 

いよいよ最後の汁を

まるで顔を覆うかのように鍋を持ち上げ

すすっている真っ最中に 

彼氏がドアを開けて入ってきたのです。

 

酔っ払いが「鍋食ってる!

 

それ以来 彼氏は二度と来ることはありませんでした。

 

ま、そんな彼女だからこそ 

勇猛果敢な奉仕活動もこなせてきたのですけれど。

教会を離れてからは 

家業の不動産屋をお手伝いしておりました。

 

出会いは 高校の同窓会。

 

幹事になって 打ち合わせで 

何度も会っているうちに恋に落ちました。

そして 60代で結婚。お互い初婚です。

 

容姿は どっちかというと 

おさるのモンチッチ(友よ赦せ)

絶世の美女とは程遠い存在です。

けれど 性格は強く優しく めちゃくちゃいいのです。

 

彼氏はと言えば 英語が堪能で空手の有段者。

なかなかのイケメンです。

 

訪れた遅い春に乾杯!