道案内
ノブコとマリコが家に向かって歩いていると、
若い男と女の人がうろうろしていた。
「どうかしたんですか?」と、中一のノブコ。
二人はノブコとマリコを見て、
一瞬出しかけた言葉を引っ込めたようであったが、
やがて、女の人が聞いた。
「あの、ここら辺に『居酒屋(いざかや)』ありませんか?
たしか、
警察署の裏にあるって聞いたんですけど・・・」
「はい。 ありますよ。
次の通りを右に曲がってズンズン行くと、
左手にあります!」 即答だった。
二人は礼を言うと、その方向に歩いていった。
「お姉ちゃん、すご~い! さっすが、
中の町少女探偵団のリーダーだけのことはあるね」
とマリコ。
「えっへん! ここいらは うちらの縄張りだからね。 あの二人、きっとカップルだぜ」
「カップル?」
「うん。 今日の夕飯を彼女が作ってあげるんだ。
アジの塩焼きかなんかだな」
さてさて、行き着いた先で、
「へ~い、らっしゃい! なんにしやす?」
と声掛けられて、唖然とする二人。
誰が「サカナヤ」つった!
おちゃらか おちゃらか おちゃらかほい
子どもに聞く場所じゃなし の ほい!