「中の町少女探偵団員たるもの、
度胸が据(す)わってなくてはならん」と、
団長のノブコが言い出して、近頃うわさの幽霊屋敷へ
マリコとカナコが行かされることになった。
初めは「恐いからヤダ! 絶対ヤダ!」と
行くのを渋っていたマリコであったが、
「何かあったら、これで連絡しなさい」と、
マッチ箱のトランシーバーではなく、
本物の携帯電話を持たされて、にわかに勇気百倍!
「カナコ、我らはゴーストバスターズじゃ~!」
と、意気揚々出かけてきたものの、
やっぱり・・・こ・わ・い~・・・。
町はずれのその家は、長い間の放置で
庭木がうっそうと茂り 昼間だというのに薄暗い。
ノブコの指令は、中に入って、
欠けた茶碗を持ってくることになっていたので、
二人は恐る恐る錆(さ)びたドアノブに手を掛けた。
ガチャ――ギイィィィィィバタバタバタ!!!
「ウッギャーーー!」
突然隙間から鳩が飛び出し、二人は悲鳴を上げた。
その拍子にドアがバタンと外れて、
中の様子がハッキリした。
「は~ は~ 鳩? だったよね。
コウモリじゃなかったよね」とカナコ。
「うん。 なんっだ、普通じゃん! 平気平気。
ほら、あそこに見える、あのお茶碗
取ってくればいいんでしょ。 楽勝楽勝」
マリコがそう言いながら 靴のまま
空き家に入って行った時だった。
チャリンチャリンチャリン・・・
「ウッワーーー!」ブルブル~~~。
「マリコ、携帯、携帯の音だよ!」と、
カナコがマリコのポケットを指さした。
「な~んだ」。
ほっと胸をなで下ろして携帯を見るマリコ。
「Eメールだ」。 少し得意な気分で、
ノブコに教えてもらったとおりに開く。
すると・・・・・・「死ね」という文字が
画面一杯に出てきた。
「グワーーー! ギャエーーー!!
ドヒャーーー!!!」
もう限界! 肝がぶっつぶれて
息も絶え絶え家に辿り着いた二人。
玄関口に出迎えたノブコにマリコが言った。
「姉ちゃん!塩!塩かけて!幽霊がついてくる!」
ノブコは「はいよ」とすぐに台所の方へ行ったが、
「塩が無いから、塩こしょうでガマンしな」。
へ~くしょい!くしょい!
ぶるぶる震えながらクシャミをするマリコとカナコ。
「くっくっくっく・・・」
こしょうを避けるふりをしながら、
ノブコは密かに笑いを噛み殺していた。
おちゃらか おちゃらか おちゃらかほい
いたずらもほどほどに! おちゃらかほい
登場人物は違うけど、携帯のいたずらも、
塩こしょうもほんとの話。
私は小さい頃、幽霊を見たし、金縛りにもよくあった。
そういう時の状態って、
けっして良くはなかったんだと思う。
今では、まったく無い。
そういえば、昔、コックリさんが流行ってたなぁ。
子どもたちは恐いもの見たさで あれこれやるけれど、
弱い人は低いバイブレーションに同調して
悪夢にうなされたりするから、やめた方がいいかな。
逆に、気持ちのいい場所、自分のエネルギーを
高めてくれるような所に行ったり、
そういう人と出会ったりする方が
ずっといいと思うよ。