人違い
ツネミの父ちゃんの カマジロウが
友人のお葬式に行った。
集った人々と 故人の話をした。
「いや~ 残念ですなぁ。 彼とは
北海道支所で よく働いたものですよ」
と 懐かしむ カマジロウ。
「え? 彼は 北海道にいたんですか?
初耳ですね~」と 隣の席の人が言う。
「ええ ええ スキーと 麻雀が好きでしたよ」
「麻雀!? 彼は ゲームや賭け事が
大っ嫌いだと 思っていましたが・・・・・」
「いえいえ そうでもないですよ。
寒い日は 室内で遊ぶにかぎりますからね」
と カマジロウ。
趣味 人柄 生活態度 どうも 話せば話すほど
食い違ってくる感じ・・・・ん?
ふと 顔を上げて
遺影をマジマジと見た カマジロウ
急にそそくさと立ち去った。
家に着いて 喪服を脱ぎながら
イネに言うことにゃ
「おい ばあさん。 人違いだったよ」
おちゃらか おちゃらか おちゃらかほい♪
友だちのご主人の ほんまの話だ の ほい♪