歌う珈琲屋さん

クラシック歌曲・オーガニック珈琲

引き延ばされた瞬間

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私は車で 崖の上から8mほど下の川へ 

転落したことがあります。

バックした時に、

崖上の土が長雨で柔らかくなっていたのだと思います。

車は花屋さんがよく使う、

後ろが両開きになるタイプの商用軽自動車です。

 

後ろ向きに落ちていく途中、不思議な体験をしました。

 

私はまず、おもむろにシートベルトを外しました。

そのままの状態で落ちると、

首に大きなダメージを受けると思ったからです。

そして、運転席を離れると、助手席との間をすり抜け

川に垂直に落ちていくように 

両足でしっかり立ちました。

こうすれば、足のクッションを効かせて

着地の衝撃を最小限にできると判断したからです。

 

この一連の動作が 研ぎ澄まされた意識の中で 

まるでスローモーション映像を観るかのように

行われたのです。

焦ることは まったく ありませんでした。

 

ところが、川底にぶつかった瞬間は覚えがないのです。

幸い浅い川だったので、水の冷たさに 

しばらくして意識を取り戻しました。

いったん車から出ましたが、

エンジンが かかったままになっているのに気づいて

また戻り、キーを抜いて 

川岸で鼻血を出しながら 倒れ込んでいました。

 

異変に気付いた友だちが救急車を呼んでくれました。

レントゲン検査の結果 

鼻と首の骨が少しゆがんだ程度だということで、

その日のうちに帰されました。

 

 

あの体験は 何年経っても 鮮明に思い起こされます。

火事場の馬鹿力じゃないけれど、

いざという時 

人は計り知れない力を発揮するのではないか。 

私たちを絶えず見守り その力を授けてくれる 

大きな存在があるのではないか。

 

宇宙への「信頼は、あなたを笑わせる

イギリスの理論物理学

スティーヴン・ホーキング博士の言葉です。