歌う珈琲屋さん

クラシック歌曲・オーガニック珈琲

It’s my pleasure.

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アメリカへ行って驚いたことが二つある。

 

その一

 

ネバダ・シエラ山のハンバーグという所に、

友達のおばあさんが生まれたキャビンがある

というので、連れて行ってもらった。

今は誰も住んでなくて、

時折キャンプがてら滞在するという。

 

そこでは、なんと100年前のオーブンが

使われていたのだ!

空気が乾燥しているので、

松ぼっくりの油分で容易に着火する。

近くを流れる川で釣ったニジマスをフライにしたり、

ブルーベリーを摘んでクッキーを焼いたりした。

山の9月は肌寒かったが、

オーブンの配管が部屋を巡って、

セントラル・ヒーティングの役目も果たしていた。

 

その二

 

一週間ほど自然を満喫したあと、

サンフランシスコにやってきて驚いた。

ビクトリア調の建物が並ぶ坂道に、

所狭しと駐車している。

と、一台のセダンがやってきて、

どう見ても入りそうにないスペースに、

なんと、バッコンバッコン

前と後ろの車にぶち当てて収まったのだ。

友達いわく

「車は道具だから、誰もあまり気にしないよ」

だって! ほんとかよ!?

 

感動したことが一つある

 

ロンはかつて消防士であったが、

30過ぎて弁護士になることを志した。

バーテンをしながら大学に通い勉強していた。

そのロンとお友達が住んでいるアパートに 

しばらくやっかいになったが、

食べ物から 観光にいたるまで、

本当に心づくしの接待をしてくれた。

 

ロンは「ちょっと失礼」と言って、度々場を離れた。

それが、キャッシュコーナーで 

現金を引き落としているのだと知ったとき、

こちらが払うと言い張ったが、

ロンはいつも穏やかな笑みを浮かべてこう言った。

It’s  my  pleasure.

 

なんと、やさしい響きだろう。 

日本語にすれば、You’re welcome. も同じ

「どういたしまして」なんだろうけど、

ロンは本当に心から「これは僕の喜びなんだ」

と言ってくれているようで、感動した。 

こつこつ貯めたお金を使わせてごめん。

そのロンは のちに素敵なイギリス女性と結婚し、

弁護士さんとして活躍している。

 

あ! そうそう。 驚いたことがもう一つあった。

帰国寸前に、なんと、英語の夢をみたのだ!

食い物かなんかの夢だったと思うが、あの瞬間、

私は確かに「バイリンガル」だった!

 

This is a pen !