歌う珈琲屋さん

クラシック歌曲・オーガニック珈琲

誰をも責めず

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イタリア人のペルラスカは、

たまたま仕事で立ち寄ったハンガリーで、

ナチスによるユダヤ人迫害を目の当たりにし、

スイスへ逃れたスペイン大使館領事になりすまして、

多くの人々を救おうと試みる。 

実話に基づいたDVD。

 

シンドラーのリスト」にしてもしかり。 

あの様な状況で、勇気を奮い起こし、

見ず知らずの人々を、時には自分の命を賭しても

救おうとする人がいたことは、

歴史の残虐さを知るとともに、尚かつ、

人を信じる縁(よすが)となる。

 

特に、このDVDでは、

ライフ・イズ・ビューティフル

程ではないにしても、イタリア人らしい前向きな

明るさが、暗い歴史の描写に光を与えている。

 

いつナチスが皆殺しにやってくるかも

分からない状況の中で、彼は夫人に花を贈り、

集めたユダヤ人の子どもたちに

教育の機会を与えようとする。

 

とりわけ心に残ったのは、当のユダヤ人である

弁護士やラビが、恐れとあきらめの中で

手をこまねいているというのに、

彼等を一向に責めないどころか、

持ち金すべてはたいて権力者への賄賂に使ったり、

ウソ八百を並べてでも、目の前の人々を救うのが

自分の使命であるかのように行動する事である。

 

人がどうこうじゃない、

ただ、自分のやるべき事をやる。

物語の最後に、彼のお陰で生き残った少女が言った。

「彼を見ていると、

36人の言い伝えを思い出します。 

世の中には、本人も知らない36人の義の人がいる。 

それゆえに神はこの世を滅ぼさないのだと」

 

 

戦火の奇跡 ~ユダヤを救った男~ 前・後編