歌う珈琲屋さん

クラシック歌曲・オーガニック珈琲

今 ここ

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今 ここから  わたしから すべてが はじまる

 

 

アキラくんは父親から譲り受けた250坪の畑で 

まったく農業未経験ながら 

無化学肥料 無農薬の作物を 育て始めました。

 

近くには 牛小屋があって 

周りの人たちは牛糞を分けてもらっていましたが 

牛小屋自体の環境が不衛生で 

餌も 何を与えられているのか不安なので 

アキラくんは もらっていません。

 

除草剤も かつてベトナムの戦場で使われた

枯葉剤を薄めたものが平気で市場に溢れていて 

恐ろしく思っています。

 

外国の農作物は信用できないとよく聞きますが 

外国から日本に入るときに厳しいチェックがあるので

日本の残留農薬のほうがよほど心配だとも聞きました。

 

試行錯誤を繰り返しながら始めた自然栽培でしたが 

草取りから何から一人でやるのは かなり大変です。

 

でも、ある日 隣の畑の90歳になる農業ベテランの

おじいちゃんが声を掛けてくれました。

そして、ニンニクの種を分けてくれました。

その人は 決して先輩風を吹かせることなく 

アキラくんのやることにただ

「うん。上等やさ!」と励ましてくれるのでした。

 

アキラくんはかつてカヌーポロの日本代表を

経験したこともあります。

畑の近くは海なので 当然海遊びもしたいと思い 

手作りカヌーで漕ぎだしました。

 

するとベニヤ板にグラスファイバーを施した

美しいカヌーを見て声をかけてきた人がありました。

その人から 近くでカヌーツアーをしている人を

紹介され またそのツアーの人は畑を一部借りたい 

そして養鶏もしてみたいということになり 

アキラくんはOKしました。

 

その若者たちは大変明るく行動力もあって

アキラくんの作業も快く手伝ってくれます。

海での獲物も持って来てくれます。

 

そして何とモーターパラグライダーの人とも

知り合いで アキラくんは無農薬のニンニクと

島らっきょうと引き換えに空を飛びました。

 

自然栽培で育った野菜たちは色も薄くて小ぶりです。

でも 味も香りも抜群にいいのです。

その香りが引き寄せたかのように 

たった一人で始めた農業でしたが 人が人を呼び

今では沢山の素晴らしい繋がりができました。