外向きのアドバイス
ヤスシが、通っている教会の牧師に相談にやって来た。
「先生、ボクはいつも人に良い事を言って、
それがまた実際に
その人の役に立つ事もあるんですが・・・・・・」
「例えば?」と牧師。
「早起きして散歩すると体にも心にもいいよ、とか」
「なるほど、それは、良い事ですね。 他には?」
「肉食を減らして、野菜を中心にした方が、
メタボリック症候群にならずにすみますよ、とか」
「その通りですよ。 それから?」
しきりに頷(うなず)く牧師。
「笑みを絶やさず、皆と仲良く、
決断力と勇気を持って、一日一日を大切に」
「そうです! まさしく、ヤスシさんの
おっしゃる通りです。素晴らしいではありませんか。 で? ご相談とは?」
「言っている僕自身が、
それを実行できてないって事なんです。
人に言うのはたやすいけれど、自分自身の事となると、
どうしてこう、難しいんでしょう」
ヤスシは深い溜息をついた。
ふぁ~~~~。
一緒になって溜息をついた牧師が言った。
「わすも、おんなずだ~」
おちゃらか おちゃらか おちゃらかほい
急になまって そっちもかい! の・ほい♪
人へのアドバイスは、客観視できるということで、
やりやすいし、的確な場合もある。
けれど、ほんとに人の心に届き、人を動かすのは、
体験から出た言葉、自らの血肉となった言葉だと思う。 そういう言葉は力強い。