透明人間?
空手の大会で
外国からの選手もやってきた時の事です。
「ねぇ ねぇ。ロシアの選手だよ。でっかいよ。
どうしよう。緊張する~!!!」と
わたしより 上級の選手が おたおたしています。
そして あの手この手の 外国人対策を
周りの人たちと 面白おかしく 話しています。
その情景を わたしはキョトンとして見ていました。
だって ロシアの前に
日本人たる「わたし」が
その選手と対戦することになっていたからです。
その選手にとって わたしは 取るに足らない相手
というか まったく目に入らない
「透明人間」なのでした。
ところが いざ 戦ってみると
審査員5人の旗が上がり 5-0で
わたしの圧勝でした。
こんどは その選手が キョトンとする番でした。
続いて ロシアの選手にも勝ち
わたしは やっと
存在を認めてもらえたようでした。