歌う珈琲屋さん

クラシック歌曲・オーガニック珈琲

読み聞かせ

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私は本が好きで、

子どもたちにも毎日のように読み聞かせました。

赤ちゃんの頃は、

松谷みよ子さんの「いないいないばあ」。

最後は子どもたちの名前を入れて

「ばあ!」とやりました。

 

本の内容が その時期の子どもたちには

理解しにくいかもしれないと思う時には

わかりやすい言葉に置き換えたり 

絵を見せながら勝手に物語を創作したりしました。

これはもう、読み聞かせというより、

語り聞かせですね。

 

もちろん、おやすみ前の何度目かの本読みは 

子どもが寝るタイミングに合わせて 

端折ったりもしました。

それがばれて、また 

最初から読む羽目になったこともありましたけど……。

私の家に泊まる人は、

寝かせつけの読み聞かせ担当になりましたが、

大抵は子どもより先に寝落ちしていました。

 

息子が5年生の時に読んだ「セロひきのゴーシュ」は

茂田井武さんの絵のものが好きでした。

かっこうが 何度も何度も窓にぶつかった末 

やっとのことで飛び立っていくシーンに

差し掛かった時、私自身が感動して

声が震えてしまいました。

息子を見ると 大粒の涙が溢れていました。

 

なんと子どもたちは 中学生になっても 

私の読み聞かせを 喜んで聞いていました。

 

「そんなに本を読んでもらったのなら、

 さぞかし国語の成績は良かったのでしょうね」と、

言われたことがありますが、学業の足しになった様子は

見受けられません。息子も娘も体育系で、

自分で本を読むのは大人になってからでした。

 

けれども、誰に言われるでもなく 

年老いた病人の脚をさすってあげたり、

教室で嘔吐した同級生の後始末を進んでやったり、

夕日や海に感動したり、

優しくて感性豊かな子に育ってくれました。

 

さくらさくらんぼ保育園創設者の斎藤公子先生の所で、

しばらく学ばせて頂いたことがあります。

先生の読み聞かせに対する

意識の高さに驚かされました。

 

本の紙質は、テカテカしたものではなく、

柔らかな子どもの

脳と目に優しいものを選んでいました。

子どもたちが理解しやすいように

本の内容に沿った小物なども

テーブルに用意されています。

 

卒園が近くなると、年長さんたちは

いくつかのグループに分けられ

斎藤先生のご自宅や保育研究所で

読み聞かせをしてもらえますが、

聴き入る子どもたちの 真っ直ぐで 

深い想いに浸された眼差しを 

私は決して忘れないでしょう