以前 母の付き添いで行った 皮膚科の待合室で
心の病んでる人を見た。
年の頃は 三十前後だろうか。
父親に買って貰った紙パックのジュースが
嬉しくてたまらないらしく
チビリチビリ飲んでは ニッコリ微笑んで
周りの人を見回していた。
ジュースを飲んでるのは あたしだけ。
これね すっごく すっごく おいしいんだよ。
うふふふふ。
待合室は混んでいた。
あちこち かゆいのやら痛いのやら 具合が悪いのか、
皆 不機嫌そうな顔をして 黙りこくっていた。
どっちが しあわせなんだろう。
目があって微笑み返しながら
まとも ? な あたしは考えた。