歌う珈琲屋さん

クラシック歌曲・オーガニック珈琲

生涯現役

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3・11の映像を観て ユウさんは 思ったそうです。

「もし 何もかも流されて 仕事も出来なくなったら 

 俺は 生きてけないだろうな」

 

ユウさんにとって 車修理の仕事は生きがいでした。

月曜から土曜まで 朝早くから夜遅くまで 

仕事の区切りがつくまで働いていました。

 

土曜の夜は ちょっぴり羽目を外して 

好きなお酒もたしなみますが 

明日が仕事の日曜日には決して飲みません。

 

障碍者のために 車を改造したり 

軽トラで 初めて 荷台をリフトアップする技術も

開発しました。

 

60歳を過ぎて いったんは 息子に家業を譲り 

自分は農業でもするつもりでしたが 

息子さんの要望もあり 働き続けています。

 

今時の車はコンピューター制御が複雑で 

整備も大変なのですが 根っからの研究熱心で 

息子さんと一緒にメーカーの主催する勉強会にも 

積極的に参加して 技術を磨いています。

 

わたしの車は ユウさんに

いつもお任せしていますが 

お陰様で とても安心して乗ることができます。

 

マロさんは 臨床検査技師です。

還暦を機にこちらも一旦退職しましたが 

コロナの影響で人手不足が続き 

再三ピンチヒッターとして 呼び出されています。

 

前立腺癌の手術をし 

頻尿に悩まされてもいるのですが 

オムツをして職場に向かいます。

 

防護服を着るので しょっちゅうトイレのたびに

脱ぐわけにはいかないからです。

「もう 帰るころには ビチョビチョだよ~!」と

電話の向こうで嘆いてはみせますが 

声は明るいのです。

 

農業の師匠のサブローおじさんは 

90歳を過ぎても かくしゃくとしています。

そして おじさんを頼って聞きに来る人々に

的確なアドバイスをしています。

 

仕事に 打ち込めば打ち込むほど 

その仕事を通して人々の役に立ち 

沢山のありがとうをもらい 

ますます夢中になっていく。

 

「家族はもう大変よ~ 年がら年中 

 仕事ばっかしてんだから」なんて 

クレームもくるようですが・・・・・

鍬を立てかけて 木陰でお昼寝でもしている間に 

逝っちゃうんでしょうね。 そういう人って。