歌う珈琲屋さん

クラシック歌曲・オーガニック珈琲

一人になれる場所

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ツネミは、トイレに入ると ほっとする。

ドアを閉めた瞬間 

慌ただしい日常から 解放されるのだ。

 

一人になれる場所。  

空想(妄想?)好きなツネミのユートピア

 

忙しさと混乱の中で 唯一 

トイレで 祈る時間を持てた 

と書かれた伝記を読んだ事がある。 

そして そこで神に出会ったと。

 

「トイレで神?」なんだか不謹慎な気がしたが 

静かになれる場所がここしかないのなら

きっと 神様も大目に見てくれるのだろう。

 

「掃除はしているし 出すべき物をさっさと出して

 流してしまえば きれいだものね」 

 

さて 今しばらくは ロンリータイム

――私もちょっくら神様に――

珍しくスピリチュアル気分のツネミであった。

 

「お母ちゃん あのさ 兄ちゃんがさ たたいた~」 

うえ~ん! ドアの向こうでミンミが泣いた

――おめぇは蝉か? ま、しばらく泣いちょれ。

 

「母ちゃん ミンミが教科書に落書きしたよ!」

――どうせ ろくに読みゃ~しないんだから。 

 

それに 二人とも 

ここまで言いつけに来るんじゃないよ。 

只今 声掛け 面会謝絶。 ほっといて! 

 

「おかん 今月ちょっと厳しいから 貸して」

――なんで マサオが居るのよ。

 

「ジャガイモ届いたねぇ?――ミンミ泣いてる? 

 タカシー 妹いじめたらいけんよ! 

 あれ マサオ 久しぶりだね~」

 

「ば ばあちゃん?!」 ――ばっちゃんまでかよ!

 

突然の嵐がやってきて 

ツネミは理想郷から出ざるをえなくなった。

 

カラカラ・カラ・カ――え? 紙? 紙は~? 

こら~! タカシ~! 

紙使ったら足しとかんかー!!

 

 

おちゃらか おちゃらか おちゃらかほい

神より紙だのみ の・ほい♪

 

一人の時間が短い人ほど トイレが長くなる。 

でも それって 人にはどうしても そういう

時間や場所が必要だってことなんでしょうね。

 

3S=Silence Solitude Spaceが大切って 

誰かさんが言ってたなぁ