ツネミ一家はスイカが大好き!
今年も早々にスイカを買って、
恒例のスイカ割りをすることにした。
と言っても、シングルマザーのツネミのこと、
なかなか海へは連れて行けない。
それで、室内に新聞紙を広げ、その上にスイカを置く。
おばあちゃんの行李(こうり)に小豆を入れ、
ツネミかタカシが揺らしながら海の雰囲気を出す。
目隠しをして、くるくる回して、最初はミンミ、
それからタカシ、ツネミの順だ。
何と言っても、あの、パカッ!っと、
割れる瞬間がたまらない。
スーパーで、わくわくしながらスイカを選ぶツネミ。
1300円と高めだけど、
なんせ、待ちに待ったスイカを、早よ食いたい。
なでたり、コンコン叩いて感触を確かめながら選ぶ。
かぼちゃのようにお尻が黄色くなってるものを避け、
緑色が濃くて、スジのハッキリしているものを、
箱の中から、慎重に取り出した。
今にも弾けんばかりの、威勢の良いスイカだ。
赤子を抱えるように、大切に運んでレジに置く。
「いらっしゃいませー!」
研修生と書いた札をぶら下げた兄ちゃんが、
勢いよく頭を下げたとたん、スイカがゴロリ。
「ズワアアアアーシュ!」
ツネミは奇声を発しながら、
あわやという所でスイカをキャッチした。
「気をつけてよ!」
「すみません」
スイカを買う時は、他のものは買わない。
家に帰り着く前に、ぶち当たって割れないためだ。
にこにこしながら車に運ぶツネミ。
「やれやれ」 安心しきって、
助手席の足元に置いた時だった。
そこには最近取り付けた車用ゴミ箱――
蓋の部分には指をかけるトンガリがある。
コツン。 パカッ!
おちゃらか おちゃらか おちゃらかほい
オチが わかりすぎで すんまへん の・ほい♬