役立たずの役立ち
ものぐさタローは なんとな~く
携帯屋さんで バイトをしています。
キャリアウーマンの ヤルコは
そんなタローを うとましく思っていました。
『だいたい 若いクセに
やる気ってものがないのよね。
もっと シャンとしたらどうなのよ。
バリバリ仕事しようって思わないのかね~。
こっちまで だらけてしまうよ。
あんたみたいのを 役立たずっていうのよね。
早いとこ 首になっちゃえばいいのに・・・』
ところが たま~に タロー担当の携帯が
売れるものですから そうもいきません。
そのことも ヤルコは不思議でした。
あいつから買う人がいるなんて
―― 説明だって うまくないのに!
ある日 他の携帯業者が
新しい企画をどんどん打ち出し
急激に店の売り上げが減ってきました。
今まで ヤルコを褒めちぎっていた店長は
一個も売れなくなった彼女に
辛く当たるようになりました。
そんな中でも タローの携帯は
ごくごく たま~に 売れるのです。
疲れ切った ヤルコは
相変わらずマイペースのタローを見て
初めて『いいな~』と思いました。
そして タローに言ったのです。
「今の私なら あなたから 携帯を買うわ」
おちゃらか おちゃらか おちゃらかほい♪
ひ~とは それぞれ の・ほい ♪