歌う珈琲屋さん

クラシック歌曲・オーガニック珈琲

不眠症について悩まないために

不眠症について悩むことは、

不眠症そのもの以上に害がある。

 

たとえば、私のクラスの受講生だった

ニュージャージー州リッジフィールド・パークの

アイラ・サンドナーは、慢性不眠症のために

自殺寸前にまで追いつめられた。

 

彼は私にこう語った。

「実のところ、

気が狂ってしまうのではないかと思いました。

問題は以前の私が熟睡していたことでした。

私は目覚まし時計が鳴っても目が覚めず、

朝はよく遅刻していました。

私はそれを苦にしました。(中略)

 

私は友人に相談しました。

すると一人が、

眠る前に目覚まし時計に注意を集中してみろ

と教えてくれました。

それが不眠症のはじまりでした!

 

その呪われた目覚まし時計の

かちかちという音に取りつかれてしまったのです。

一晩中、まんじりともせず、

寝返りばかり打っていました!

 

夜が明けた時、

私は疲労と不安のために半病人になっていました。

この状態は八週間続きました。

その時の苦しみは、とても口では言えません。

今にも気が狂うのではないかと思いました。

 

時々、私は何時間も部屋の中を歩きまわりました。

窓から飛び降りて、すべてを清算してしまおう

と考えたこともしばしばでした。

 

ついに私は、

昔からよく知っていた医師を訪れました。

すると、医師はこう言うのです。

『アイラ、私にはどうにもできない。

誰にも不可能だ。これは君の自業自得なのだから。

夜ベッドに入って眠れなかったら、

それを忘れてしまうんだ。

そして、眠れなくたって平気だぞ、

朝まで起きていたって何でもないんだぞと

自分に言い聞かせるのだ。

 

目を閉じたまま言ってみよう――

くよくよさえしなければ、

横になっているだけで休息できるのだ』と。

 

私はそのとおりにしました。

そして、二週間ほどで眠れるようになり、

一カ月もしないうちに

八時間の睡眠がとれるようになり、

神経は正常に復しました」

 

アイラ・サンドナーを

自殺寸前にまで追いつめたのは不眠症ではない、

それについて悩むことだった。

     

   D・カーネギー著「道は開ける」創元社 より

 

 

学生時代にこの本と出会い 

どれだけ多くの友だちに勧めたことか・・・・

そして 例外なく感謝されたことか。

初版から半世紀以上経った今でも 

色あせることのない 悩みの処方箋。 

一家に一冊は欲しい常備薬 ならぬ 常備本。