俳優
ひょんなことから
農婦役でテレビに出る機会があった。
ほんの3分程の演技に
5テイクも撮るのには 驚いた。
太陽の光が丁度いい頃を見計らうのに時間も要した。
様々なアングルの中から
最良なものを編集するとのこと。
今まで 何気なく流して観ていた場面が
こんな風に大勢の人で 大変な労力のもとに
撮られていたんだなあと あらためて感心した。
この頃は 女性も男性も「俳優」と呼ぶのが一般的だ。
私の世代は憧れを込めて
「女優さん」と言っていたものだが、
わざわざ「男優さん」とは、言わないものね。
ある役者さんに
「女優と呼ばれるのがいい? それとも俳優?」
と聞いてみた。
「女優、というのは『優れた女』と書きますよね」
―――うんうん。そうそう。それってかっこいいよね。
「俳優、っていうのは『人に非ず(あらず)』って
書くじゃないですか」
・・・・・・。
「私は、そっちの方がいいです」