歌う珈琲屋さん

クラシック歌曲・オーガニック珈琲

田中 百合子 訳

翻訳者によって 出来上がった本は 

全く違う印象になる ということを よく感じます。

赤毛のアン」は村岡花子さんが好きです。

そして「奇跡の道」は 田中百合子さんのが 

しっくりきます。

 

推薦者のコオさんが

おそらくどんな翻訳にも存在するはずの

間違いがまったくない」ことに驚き

百合子さんに直接伺ったところ

コオさん、あれは翻訳ではないのです」

「わたしがまず英語で声を出して読んだ後、

 心を鎮めてイエズスに祈ります。

 わたしはこの文章をどんな日本語にしたら

 良いのでしょうか?」

「その答えをわたしは書きとっていったのです

(帯文より)という答えが返ってきたそうです。

エスキリストを兄と呼ぶところも好きです。

 

畏敬の念は平等ではないという意味を含むので、

同等の者どうしは、

お互いに畏敬の念を抱くべきではない。

したがって、

それは私に対してはふさわしくない反応である。

 

兄が尊重されるに値するのは

より深い経験があるからで、

素直に聞き入れられるのに値するのは

よりすぐれた知恵をもっているからだといえる。

 

また、きょうだいであるから愛されるに値し、

もし献身的な深い愛で愛されているなら

それを受けるに値する。

 

ただ私が深く愛しているからこそ、

あなたからも深く愛されるに値するのである。

 

私の持ち合わせるもので

あなたが手に入れられないものは何もない。

神から授からないものは何一つ持ってはいない。

 

今のところ、あなたと私との違いは、

私は他には何も持っていないということである。

私がおかれた状態は、

あなたにとってはただ一つの可能性だろう。

                 (本文より)